新聞記事から 2008

ここでは、新聞記事から社会福祉に関係のあるものを選び、紹介・解説します。

スクールソーシャルワーカー SSW配置じわり 福祉の目線で支える手
(2008年7月6日 朝日新聞 朝刊)

 連載「ルポ学校 子どもを救え」にも登場したスクールソーシャルワーカー(SSW)を学校に配置する地域が増えている。主に小中学校を拠点に,福祉の面から子どもやその保護者を支援する専門職だ。子どもの不登校や暴力,落ち着きのなさの背景に貧困や虐待など家庭の問題があることが多く,先生だけでは解決が難しくなっていることが背景にある。

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 SSWの働き方はさまざま。1つの学校を専属で受け持つほか,ある学校を拠点に周辺の学校も回る例などがある。大阪府教育委員会は08年度,SSWを22人配置。金澤さんは府南部の4自治体の学校を担当している。
 学校では,気になる子のことを話し合う「ケース会議」に出て,集まった情報から原因をどう見立てるのかについて助言する。子どもや保護者と面談し,いま何に困っているのか聞き出すこともある。
 虐待されている疑いが浮かべば,児童相談所や市町村への通告の手続きや提出書類の書き方を先生に教える。ひとり親家庭の子の不登校の背景に経済困難があると分かれば,自治体にどんな支援制度があるか調べ,保護者や先生に紹介する。金澤さんは,「SSWひとりでは何もできない・先生とSSWがしんどい仕事を分かち合い,チームで関わることが必要だ」と話す。
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解説です
 文部科学省が08年度に15億円の予算をつけ,約300の自治体にSSWを配置することを受けて,新聞記事にもSSWについての記事が多く載っているようです。
 新聞記事では,子どもの問題(不登校,虐待など)の背景に家族の問題があり,それば先生だけでは解決できないと強調する。子どもは学校だけにいるのではなく,学校にいるのは教育を受ける時間のみ。それ以外は,家庭を中心とした地域での生活の中にいます。
 子ども自身の問題(身体や心)が影響していることもありますし,家族や兄弟との関係,経済状況,家族の抱える問題(例えば両親の病気や夫婦問題)なども大きく影響します。
 最近問題となっているのは,子どもの発達障害。まだ,知られていないために,子どものことが理解されず,放置されることになりかねません。そのために,子どもは傷つき,疲れ果てています。

 このような子どもだけでなく周囲の人や環境も視野に入れて,全体を見つつ,問題を解決することをソーシャルワーカーは考えます。
精神疾患 偏見なくそう 中高生へ教育講座 NPO・専門家ら開発
(2008年2月16日 日本経済新聞 朝刊)

 精神疾患を正しく知ることで偏見除去につなげようと,特定非営利活動法人(NPO法人)や専門家,当事者家族,製薬会社が協力し,初の中学・高校生向け教育プログラム「こころの病気を学ぶ授業」を開発した。統合失調症を例に,当事者の生活の様子も交えて理解を深める。
 プログラムでは50分授業で2時間構成。1時間目は一人の当事者の経過をたどりながら,外からはわかりにくい病気であること − 20代で発症しやすいこと,早期治療で回復可能なこと− 等を学ぶ。
 2時間目は,回復しても「生活のしにくさ」が残る当事者の社会参加の様子を知り,当事者とのかかわり方や社会の支えについて考える。いずれも映像や写真,当事者や家族の生の声などを教材に用いて,理解を助けるようにした。
 開発に協力した当事者家族団体の真壁博美さん(58)は,「精神の障害・病気のことをおおっぴらに話せない現状があり,よく分からない,先が見えない中で苦しんでいる人はたくさんいる。学校教育の中で正しい理解をすることは大事だ」と話す。
 教育プログラムと教材は,日本イーライリリー社(神戸市)のホームページを通じて教育関係者に無償で提供される。アドレスは,http://www.lilly.co.jp

 解説です
 精神障害者の社会復帰を進めるために必要とされている,正しい知識の普及に関するニュースです。製薬会社と当事者家族等が中心になって作られています。
 ソーシャルワーカーとして,このようなことの重要性を感じていても,なかなか実際に動けていないことを振り返ると,反省すると共に,このようなことが実現したことを嬉しく思います。
 大阪のぼちぼちクラブが中心となって,授業に出かけていく取り組みがありますが,このような活動がもっと広まると,偏見⇒差別という流れが止まるのではないかと考えます。
 さらに,当事者との関わりを作っていく活動も重要ですので,つなげることができればと思います。

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