新聞記事から 2004

ここでは、新聞記事から社会福祉に関係のあるものを選び、紹介・解説します。 

看護の心が
悩みやストレス 語る場なく
「ナースのナース」が各地に誕生
 (2004年11月24日 日本経済新聞 朝刊)

 ふだん,ケアする立場の看護師。しかし,患者の死や毎日の激務などから,「燃え尽き症候群」(バーンアウト)に陥り,心のケアの必要な人が後を絶たない。看護師が揺らいでは患者にも悪影響を与える。そこで,一部病院に「ナースのためのナース」が登場している。

 解説です
 普段援助をする側が,実はストレスを抱え,苦しんでいる。そして,ケアする人をケアすることの必要性から,「ナースのナース」が必要であり,各地で取り組みが始まっているという記事です。
 ケアする人にケアが必要であるということについては,以前にも触れたことがあります。心のケアについて,身近なところでも取り組みが始まっています。そして,語り合うこと,支え合うことの重要性を広く知ってもらいたいものです。
 社会福祉の分野,特に精神保健福祉分野では,同じ立場の当事者同士が他害に支え合うという方法が大切かつ有益であるということから,積極的に同じ立場の当事者同士の会が行われてます。セルフヘルプグループがそれです。また,同じ立場同士(=ピア)の活動もいろいろあります。
精神障害者支援 ケア計画作成 制度化
厚労省方針 地域での生活促す
 1ヶ月くらい前の記事ですが,アップします。

 (2004年6月9日 日本経済新聞 朝刊)
 地域で暮らす精神障害者を支援するため,厚生労働省は8日,住居探しや職業訓練など生活全般の計画を立案,支援する「ケアマネジメント」を制度化する方針を固めた。目標に掲げる「病院から地域生活への移行」を促す政策の一環。若い精神障害者も多いため,介護保険のケアマネジメントより総合的なケア計画を作成,適切なサービスを受けてもらう仕組みにする。
 同日の「精神障害者の地域生活支援のあり方に関する検討会」に案を提示,大筋で了承を得た。時期通常国会に提出する精神保健福祉法改正案に盛り込み,2006年春にもスタートさせる。
 案によると,ケアマネジメントを担うのは,市町村や,その委託を受けた民間の事業所など。研修を受けた「相談支援専門員」が,精神保健福祉に助言しながら一緒にケア計画を作る。
 計画はホームヘルプやショートステイなど福祉サービスのほか,住居の賃借,社会復帰施設の利用,職業訓練や就職など生活全般のメニューから立てる。障害者は計画に基づいてサービスを利用し,費用は従来通り医療保険や市町村費などでまかなう。
 厚労省によると,精神病院への入院患者は32万人から33万人。うち7万人前後は受け入れ条件さえ整えば退院できるとされる。同省は,03年からの10年間でこうした患者全員の退院と社会復帰を目指す。

 解説です
 2000年からモデル事業として実施され,各地で導入に向けてさまざまな取り組みが行われていたケアマネジメントの導入が本格的となりそうです。本来は,2002年度より導入されている支援費制度と平行して導入されると思っていたのですが,足踏み状態だったことです。この制度が導入されると,精神障害者の地域生活支援がより具体的に実行されることになると思われます。
 しかし,介護保険のように,新しい制度が導入されたことで,実質的にサービスの後退ということになっては何の意味もありません。もちろん,実際にどのような運用がなされるのかについては,注目しておく必要があります。

 これまでに,第8回までの議事録が後悔されています。それぞれの議事録が厚生労働省のHPで公開されています。URLはそれぞれ,次の通りです。
 ちなみに,新聞にある内容に関しては,7/15日現在公開されていません。

 8回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/txt/s0518-2.txt
 7回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/04/txt/s0415-1.txt
 6回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/03/txt/s0324-1.txt
 5回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/02/txt/s0223-3.txt
 4回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/txt/s0129-1.txt
 3回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/12/txt/s1211-3.txt
 2回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/11/txt/s1112-1.txt
 1回 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/10/txt/s1008-2.txt
精神障害者「1年以内に退院を」
厚労省検討会 医療体制整備を提言
 (2004年3月24日 日本経済新聞 朝刊)
 精神医療の将来像を検討している厚生労働省の検討会は23日,社会復帰を促すため入院患者が原則1年以内に退院できるような医療体制の整備などをうたった中間報告をまとめた。同省は,入院の必要性が薄い「社会的入院」患者7万2千人の社会復帰を掲げており,病床数の削減に向け,都道府県ごとの基準病床数を,入院期間に応じて見なおすことも打ち出した。
 中間報告では,急性期の患者について「入院期間が短いほど社会的機能を保ったまま退院でき,社会適応しやすい」と指摘。密度の濃い医療を提供し,入院の長期化を防ぐべきだとした。
 すでに現在,新規入院患者の約7割が3ヶ月以内,8割が1年以内に退院しているが,原則として全員が「長くとも1年以内」に退院できるような体制の整備を提言している。
 ただ,持続的に精神症状が不安定なケースが多い重度精神障害者や長期入院している高齢者,痴呆患者については病状などに応じた医療や処遇をすべきだとした。
 都道府県ごとに格差がある基準病床については,比較的入れ替わりが多い1年未満の患者(病床)と,固定的な利用が多い1年以上に分けて,それぞれに必要な病床数を算定する考えも示した。算定式を具体的にどのように見直すかは今夏までに決める,としている。


 解説です
 これからの精神医療に関する中間報告が発表されています。
 しかし,精神障害者の平均在院日数が1年を切ろうとしている現在,1年以内に退院できる洋にするという方針は,時代の流れとずれていると感じます。
 治療法が大幅に改善されていることを考えると,1年以内という数字は非常に安全策な数字だと感じるところです。

 詳しくは,次のURLをご覧ください。
 
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb01Mhlw.nsf/vAdmPBigcategory30/
769727A484D1F9BD49256E610028FBAF?OpenDocument

   「新聞記事から」へ戻る