新聞記事から2001

ここでは、新聞記事から社会福祉に関係のあるものを選び、紹介・解説します。 

「精神分裂病」改称へ 「スキゾフレニア」「統合失調症」… 2001-8-25 朝日新聞
 「人格を否定するような響きを持つ『精神分裂病』という名称を変えて欲しい」 −。精神障害者の家族からの要望をきっかけに、精神科医らでつくる日本精神神経学会(理事長=佐藤光源・東福福祉大学大学院教授)が、取り組みを始めた。学会内の委員が「社会的にも医学的にもこの名称は不適切だ」として新たな病名案を3つに絞り、会員に意見を求めている。秋には有識者や一般の人達を対象に公聴会も開く。
 来年8月には、「心の病に対する差別・偏見の解消」を活動の柱のひとつにしている世界精神医学会の12回大会が横浜市で開かれる。日本精神神経学会は病名変更はを「脱・偏見」活動の一環と位置づけ、来年の大会までに新病名を正式に決定したい考えだ。
 新たな呼び方の案は、1)言語(ラテン語)の読みをカタカナ表記した「スキゾフレニア」、2)疾病の概念と診断の確立に功績のあった人名にちなんだ「クレペリン・ブロイラー症候群」、3)言語を翻訳し直した「統合失調症(統合失調反応)」の3つ。
 学会を動かしたのは、93年に全国精神障害者家族会連合会(全家連)が学会にあてた病名変更を求める意見書だった。

 解説です
 最近精神障害者を取り巻く状況に関する記事が良く掲載されます。精神障害者に対する誤解をなくすためにはとても良いことであり、正しく病気を理解してもらい、社会復帰の推進が図られることを期待します。
 しかし、この記事との関係で言うと、病名変更のきっかけを家族が作ったということは、当然のことではありますが、医療関係者や社会福祉関係者でなかったことを改めて考える必要があるのではないでしょうか。当事者や家族でないと気がつかないこと、問題だと思わないことが多いということです。そう考えると、今一度当事者や家族の思いや意見をきちんと受け止め、それをふまえて医療関係者や社会福祉関係者として何をしなくてはいけないのかを考える必要があります。
 もうひとつは、名称を変えることは、「偏見・差別の解消」のきっかけであり、これで終わりではないということです。(きっかけすらできていなかったことは反省すべきですが)
 病気に対する正しい情報を知り、精神障害者と接する中から、社会生活を疎外されることのないようにする必要を改めて考えます。


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