ひとりごと 2002 

2002年12月25日のひとりごと
 国立国語研究所からわかりにくい外来語を高齢者にもわかりやすい言葉に言い換える必要があるということを提案しています.
 そのうち,社会福祉に関係のあると思われるものを紹介します.

アクセス<情報・市場などの場合> 接続、接近、利用、参入
アクセス<交通などの場合> 交通の便、交通手段、到達手段
アセスメント       査定、影響査定、影響評価
アメニティー       快適性、快適さ、心地よさ
インフォームド・コンセント  納得診療
ガイドライン       指針、指標、手引
コンセンサス       合意
セカンドオピニオン    別の医師の意見
セキュリティー      安全性、安全対策、保安
デイサービス       日帰り介護
ノンステップバス     低床バス、無段差バス
バリアフリー       障壁除去
フォローアップ      追跡調査、補足改善
メンタルヘルス      心の健康
ユニバーサルサービス   均一料金サービス、均一料金事業
ライフライン       生命線
ワーキンググループ    作業部会
ケア           介護、看護、手当、手入れ
ノーマライゼーション   【現段階では、健常者と障害者とが分け隔てなく生活できる社会、などと説明】

 小泉首相が厚生大臣の時にカタカナ言葉を何とかしようという提案をされたことを思い出します.社会福祉の立場から考えると,不適切だと思えるものもあります.
 たとえば,インフォームド・コンセントなどは,診療だけに限定して使われるのではなく,社会福祉サービスに関しても重要な言葉です.ですから,「説明による納得」などの方がよいのではと思ったりします.
 その他の言葉についても,検討の余地がありそうです.
2002年10月19日のひとりごと
 今日(10月19日)は,朝から福山市にある福山仁風荘病院の家族教室の特別講演に参加してきました.講師は,大阪府立大学社会福祉学部教授の三野善央さんでした.会場の病院の医師と同期生ということのようです.
 さて,内容は,統合失調症の家族を対象とした話しで,家族心理教育の役割とEE(Expressed Emotion:感情表出)についてでした.
 ゆっくりとしたペースで,笑いを入れながらの話しで,非常によく分かる説明でした.
 病気のことを理解して,病気の特徴を知った上で適切な対応をすることが非常に重要であるということを強調されました.また,グループワークで同じ立場の人の話を聞くことの重要性と支える専門職スタッフの必要性についての話しもありました.

 帰るときに玄関で保健師さんとばったり会いました.このことについての話しがまた一緒にできるなあと感じながら病院を後にしました.
2002年10月14日のひとりごと
 昨日(10月13日)は龍谷大学瀬田学舎で開催されていた,日本社会事業学校連盟主催の第32回社会福祉教育セミナーに参加してきました.今回は,次のページでも紹介されているように,第2分科会でパネリストとして報告をしました.

 私は,ITを使った実習教育について報告をしました.
 感想としては,社会福祉教育に関しては,まだまだ基本的な内容に関するコンセンサスが十分ではなく,共有されていないのではないかということです.従って,そのようなことを基礎として,実現するための道具としてのIT技術とその活用ということについて取り組まれていないのではないかということを感じました.
 また,機会があれば,報告の内容についても紹介します.
2002年8月25日のひとりごと
 8月24日(土)と25日(日)にわたって,1泊の研修会に参加してきました.
 内容は,24日に,「事例検討を行うときの利用者のプライバシー保護」をテーマにした研修がありました.また,25日には,それを受けた上での「事例検討の意義と手法」「事例検討の提供の仕方」といった内容でした.
 25日の研修は,私(長崎)が講師として,3時間話しをし,参加者からの質疑応答を受けるというものでした.
 参加者の熱心な質問に答える時間も1時間あり,充実した内容となりました.

 ソーシャルワークの実際の内容をより充実したものにするには,事例検討は必要不可欠なものです.しかし,安易に行うと,利用者(クライエント)のプライバシーを侵害する危険性もあります.
 実践を行う上で,ネットワークを行い,多くの人との連携を行うためには情報の共有を行う必要があります.しかし,当事者が「自分に関する情報の流れをコントロールする」ことはできないという現状もあります.他者に当事者のことを話してもよいのかということの了解を得ることが実際にどれだけ実行できているのかということも問題となります.
 さまざまな条件もあるでしょうが,職業倫理との関係で,十分議論されてこなかったということもあり,非常に難しさを感じる内容でした.
 実践を行う際に避けて通れない内容だけに,今後とも考えていきたいと思います. 
2002年7月24日のひとりごと
 さて,ここのところ,私のところに地域の方からの相談が増えています.保健所から,開業医から,フリースクールから,等という風にです.そのため,当事者と会うことも多く,なかなか余裕がない日が続いています.

 今日は,栄養士の方から研修を依頼されました.
 それは,栄養士の世界にも大きな変化が起こっていることから生じています.これまでは,栄養指導ということで,栄養学に基づいた指導をすることが当然だったのです, 
 しかし,いくら指導をしても,当事者が行動を変えてくれないと何の意味もありません.指導をしても,それは本当に当事者の役に立っていたのだろうか? という発想です.

 そこで,カウンセリングの技法を学び,栄養相談をしようということが重視されているのです.

 栄養相談に関わることは,ご存じでしょうが,嗜癖と深い関係があります.ですから,単に理論的なことを指導するだけではなく,そのような行動をしてしまうというレベルのことを理解し,
そこに焦点を当てた対応が必要となります.

 さまざまな場面で,これまでの対応では限界があることが指摘されています.
 カウンセリングの技法を学ぶだけではなく,他職種との連携などが今後,もっと必要になると思います.
2002年5月19日のひとりごと
 5月11日(土)・12日(日),九州保健福祉大学で日本社会福祉実践理論学会第19回大会が開催され,参加してきました。
 10日にも障害児発達療法に関するワークショップもありましたが,私は都合がつかなかったので参加しませんでした。

 11日は基調講演として平山 尚(東京福祉大学 教授)
 テーマ:ソーシャルワーク実践 Evidence-based-practice でした

 日本においてはソーシャルワークが非常に不明確であることと共に,次の点が特徴としてあると話されました。
 @ソーシャルワーク実践が入所中心であること
 A教育内容が専門学校,短大,大学学部,大学院とで差がない
 B日本で紹介されている教育内容は,アメリカでは大学院でのものである

 ソーシャルワーク実践を考えるときにevidence-based-practice:EBPが役に立つ理論としてある。EBPは,これまでのように経験主義に基づくのではなく,演繹法により確立された指標を用いるものです。ソーシャルワーク実践においてはまだ導入がされていませんが,医学分野ではずいぶん進んでいます。
 例えば,次のようなHPがあります。
 http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/public_health/ebm/

 ソーシャルワーカーは,経験主義に偏っており,自分のやり方が一番良いと思いこんでいることが非常に多いのです。そのために,どのような援助方法が,どのような場合に役立つのか,効果があるのかがはっきりしていません。
 EBPでは,援助方法に関する情報をきちんと蓄積し,公開することを重視します。
 効果があるということを信頼性と妥当性という指標で明らかにします。
 例えば、アルコール依存の患者には,生活状況の形づけというものが非常に重要です。例えば,SSTやААプログラムが効果があるのです。これらは,心理療法より効果があるということが分かってきています。
 このほか,非行少年への援助に関しても,認知行動療法が有効です。また,アンガーマネジメント,アサーティブトレーニング,リラクゼーション,SSTが有効であり,ピアプログラムが効果的です。そして,親のプログラムや避妊の方法を教育することが効果的です。
 これらは,評価法を使い,信頼性と妥当性が明らかになった結果です。

 どのような実践方法(援助方法)が効果的なのか,有効性があるのかについては非常に重要です。ただ,社会福祉に関しては客観的な評価ができにくいという特徴もあり,まだまだ確立されていません。有効な方法を現場で実践している人たちと共同で作り上げる必要があります。
2002年5月2日のひとりごと
 新しい年度が始まり,1ヶ月が過ぎました。ちょうどなれてきた頃にゴールデンウイークとなり,休みになって大学でのスケジュールが軌道に乗りきれない状態です。昨日は,連休の谷間ですが,ちゃんと授業はありました。
 1年生のゼミ(基礎演習)があったのですが,私の常識が常識でなくなりつつある現実を知り,少しショックでもあります。当然知っているだろうと思うことでも,知らない学生が多いのです。もちろん,逆も正しく,先生は訳の分からないことを言っていると思われていることでしょう。
 当然のことですが,新入生は18才ですから,私と二回りも違うのです。がーん。
 その彼/彼女たちに社会福祉とは何かを理解してもらわないといけません。うーん。工夫が必要ですね。

 突然話しは変わって,昨晩PCに向かっていると,急にパチパチという音がしたと思ったら,モニターの電源が落ちてしまいました。どうやら,完全に故障のようです。保証期間中なので,修理に出したものの,不便で仕方ないことに耐えられず,新しいモニターを買う羽目になりました。でも,このモニター,フラットであるためか,SONY製であるためか(ミーハー?),とても見やすいのです。こんなにも違うものなのかと感心している次第です。
 これで作業がはかどると良いのですが。 
2002年3月21日のひとりごと
 19日(火),20日(水)の2日間連続で精神障害者家族会に参加しました。19日は福山市の家族会で,20日は府中新市地区の家族会でした。
 それぞれの会には不定期で参加しているのですが,今回は3月ということで年度末の締めくくりの会でした。それぞれ,今年度の反省と次年度に向けての話し合いという内容でした。
 ソーシャルワーカーの役割の1つに家族会等の自助グループへの支援というものがあります。しかし,保健婦以外の専門職が参加することはあまりありません。講師として呼ばれることはあるようですが。
 福山市は中核市になって丸4年になります。しかし,精神保健福祉に関する状況は非常に貧弱で,精神病院を中心としたデイケア等があるくらいです。
 何とか精神障害者が地域で安心して生活できるような支援体制を作れないかと考えます。当事者,家族とPSWをはじめとした専門職のネットワーク作りが急務ですね。
2002年3月16日のひとりごと
 今日は午後から広島県の事業で福山地域保健所が中心となって開催された第3回障害者ケアマネジメント体制整備検討委員会精神障害者部会が開催されました。これは,平成15年度から障害者福祉の分野での導入が予定されているケアマネジメント体制に関する検討部会です。平成12年度は広島県三原地域保健所が実施し,平成13年度は上記の通り福山地区保健所で実施されました。
 その中で,1年だけの事業ではなく,引き続き継続して行いたいという意見が多数を占めました。福山地区ではケアマネジメントのことだけではなく,精神保健福祉に関しては非常に制度の整備が立ち後れていて,何とかしなくてはいけないという思いが参加者の共通したものでした。
 これを機会に,精神保健福祉に関する連携がはかられ,精神障害者が地域で生活することの支援体制が本当の意味で充実できることが,今本当に求められていることを再確認したのでした。
2002年2月17日のひとりごと
 大学のゼミ学生の卒業論文指導がようやく終わりました。今年は5名の卒業論文指導をしましたが,完成までの道のりは結構大変でした。私たちの時代と違い,本を読んでいないことが大きく影響しているようです。
 そういえば,東大生を対象としたアンケートで,どんな本を一番読んでいるのかという項目の答えが,マンガと教科書ということだったようですから,仕方ないのかも知れませんね。
 でも,社会福祉の仕事につくことを考えると,自分で考え,自分で判断できる人になってもらいたいので,あきらめることはできません。

 大学のことに関しては,次年度のカリキュラムやその他の体制のことを連日考えています。後期試験の採点もありますし,思うようにいかないことも多い時期です。
2002年1月4日のひとりごと
 年が変わって,「ひとりごと」も新しいページです。
 まずは,PCのことについて,昨年ADSLの導入を行おうとしましたが,電話局からの距離が遠すぎるとの理由から実現しませんでした。非常に残念です。くやしい〜。
 また, W32.Badtrans.B@mm というウイルスに感染してしまいました。駆除はしましたが,本当にイヤになってしまいます。
 大学に関しては,4年生の卒業論文の完成まであと一息です。私自身も,大学の研究紀要に載せる原稿を早急に書かなくてはいけません。学生と完成を競争です。
 地域での活動は,今日福山市保健所から精神保健福祉ボランティアを対象とした話をして欲しいとの依頼が来ました。地域での活動がこの調子で続けられることを願っています。


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