ひとりごと 2000 

2000年12月17日のひとりごと
 昨日12月15日(金)・16日(土)は関西福祉大学で開催された第1回スクールソーシャルワーク国際大会に参加してきました。福山からも福山スクールソーシャルワークを学ぶ会の人達が参加されていました。内容については次の通りでした。
 大会テーマ:子どもたちを支える 21世紀の家庭・学校・地域のあり方 −教育と福祉の垣根を越えて −
基調講演:教育的視点から見たスクールソーシャルワーク
研修会:
 1)教育政策は学校におけるソーシャルワークサービスの発展にどのような影響を与えてきたか
 2)生徒たちの社会的・情緒的・教育的ニーズを満たすこと − チームアプローチ
 3)スクールソーシャルワークとは
アメリカ・韓国研究発表
赤穂市スクールソーシャルワーク共同研究発表
特別講演:これからの日本のスクールソーシャルワークの展望(山下英三郎・日本スクールソーシャルワーク協会会長)

 私は下記の通り、15日には高校訪問をしていましたので参加することができませんでした。
 16日に参加しての感想を少し述べたいと思います。
 一番びっくりしたことは、学校カウンセラーとして活動されている岩崎久志氏と私塾を基点に活動されている日本スクールソーシャルワーク協会理事の長俊介氏の発言が同じような視点であったということです。その視点とは、学校を絶対的なものとしないで、「行きたくないこと」を認めることであり、「子どもの意見をまず聞こう」「子どもの立場に立っていく」ということです。その結果として、学校制度やその他の問題があればそれも解決していこうというスタンスでした。山下英三郎氏も世界フリースクール大会のことを例に出され、学校を絶対視しないでいこうと話されました。
 学校であろうとなかろうと。その個人(この場合は子ども)に不利益な状況を改善するという視点での活動がソーシャルワークですから、これらのことは当たり前といえます。そして、学校に行かなかった子どもがどれだけ行くようになったかにあまり振り回されないようにしようという言葉が印象的でした。

2000年12月15日のひとりごと
 今日と昨日の両日に亘って高校訪問をさせていただいた。お忙しい中、対応をしていただいた皆様に感謝します。
 その中で、大学の情報をインターネットでもっと積極的に公開してもらいたいという意見がありました。また、大学のホームページはどれも同じようで、高校生や高校の教員が欲しい情報があまりないというご指摘をいただきました。
 確かに、私もいろいろな大学のホームページを見ますが、どれも同じで代わり映えがしません。話題に出ましたが、学長の挨拶は欲しい情報ではないようです。それより、どのような科目があるのか、その内容はどうなっているのか、どのような特徴があるのか、どんな資格が取れるのか、入試の状況はどうなっているのか、現在の志願状況はどうかなどの情報公開が必要であるということを学びました。
 最先端を行く大学でもこれらのことはまだまだできていないということを認識しました。

2000年10月15日のひとりごと
 「福山市の福祉情報」でも紹介していますが、福山市にはセルフヘルプ・グループ(自助グループ)FCC・コスモスフレンドがあります。その会の会長が私の研究室を訪れ、少し話をしていました。彼は、その時に私のホームページでFCCのことが紹介されているが、少ししか記述がないのでがっかりしたそうです。そして、セルフヘルプ・グループについて書いてきたのでぜひ紹介して欲しいと紙を見せてくれました。
 活動は順調に行っているが、まだまだセルフヘルプ・グループに対する理解がないということで、PRがしたいということでした。
 セルフヘルプ・グループに関する内容を「福山市の福祉情報」で更新しましたので、見てください。

2000年10月10日のひとりごと
 10月7日(土)・8日(日)の両日、第30回日本社会事業学校連盟 社会福祉教育セミナーに参加してきました。
 場所は山口県湯田温泉でした。
 下の記事で紹介している全国セミナーと同じ日程だったので、残念ながらユニットケアの全国セミナーには参加できませんでした。

 私が参加した、社会福祉教育セミナーは、毎年この時期に開催されているもので、社会福祉教育全般にわたることに関するセミナーです。今回のテーマは、「社会福祉専門職養成の課題 −必要とされる専門性と教育方法−」でした。
 初日の午前に、基調講演、社会福祉主事任用資格の改正についての報告があり、午後には「実践の場からの社会福祉専門教育へ求めるもの」と題したシンポジウムが行われました。
 また、2日目は、分科会が行われました。私は、第1分科会「社会福祉援助技術論・演習」の展開方法」に参加しました。

 日頃から実習教育に対してあれこれと考え、実施し、考え、工夫し、学生がよりよいソーシャルワーカーにるには、どのような内容をどのような方法で教えることが必要なのかを考えています。それぞれの内容は、日頃から考えていることと共通することが多く、改めて考えることになりました。
 全体的に、大学4年間の社会福祉教育で何ができるのか、ということについての話題が多かったように思います。アメリカでは、通常MSW(ソーシャルワーク修士)を取得して、さらに2年程度のインターンシップを経験します。さらに、その間継続してスーパービジョンという研修をうけて一人前のソーシャルワーカーになっていきます。それに比べて、日本の社会福祉士、精神保健福祉士は学部レベルの学習であり、実習時間も180時間と非常に短いのです。方向性としては、より専門的な社会福祉援助職を志向するするものでした。
 卒業して社会福祉士、精神保健福祉士の資格を持っても役に立たない、しかし、そこからどのようにして一人前のソーシャルワーカーとして成長していくのかを今後とも大学等の教育機関と実践現場とが協力して行かなくてはならないということで終わりました。援助技術を専門とする教員等は、私も含めてこれこそが関心の中心であり、以前よりの課題でした。今回の社会福祉教育セミナーに参加したことで今一度原点に返り、取り組みたいと思ったのでした。

2000年9月22日のひとりごと
 第2回特養・老健ユニットケア全国セミナーに関する情報提供
 時:10月7日(土)・8日(日)
 所:倉敷市民会館
 事務局 〒981-0942宮城県仙台市青葉区貝の森2-6-4
      全国コミュニティライフサポートセンター東日本支部内
       TEL:022-727-5830 FAX:022-727-5831
 実は、今日高齢者への援助について講義をしていたのですが、その中で「ユニットケア」について触れていました。
 高齢者、特に痴呆性老人へのケアを考えると、小人数のグループの中での顔見知りの関係を通して、安心感に配慮をする必要があります。このことは、グループホームでの実践で明らかになってきています。この考えを特別養護老人ホームや老人保健施設といった50名程度の規模の施設デイ貸せないかという発想で考えられたのが「ユニットケア」と言えます。古くは、児童や障害を持つ人を対象とした「小舎制」があります。考え方としては、同じものです。
 多くの同じような状態や特性の人を1カ所に集めてケアをするという発想は、経済的な効率を第一に考える考え方と同じであり、人間の個別性に配慮ができないという結果になります。一人ひとりの個別性を尊重するという福祉の発想は生かされにくいということです。
 ユニットケアはこのような反福祉的、非人間的になりがちなケアを考え直す一つの取り組みです。開催地が倉敷市ですから、福山市からは近いのが魅力です。

2000年9月14日のひとりごと
 9月12日に日本精神保健福祉士協会広島県支部の中の東部地区研修会がありました。私は、今回「実践的ケースマネジメント」というテーマの講師をさせていただきました。平成12(2000)年度の東部地区研修委員でもあります。参加者は、全部19名でした。
 その後、精神病院での実習訪問を行い、その時の参加者と話をしましたが、理論的なことを念頭においた援助の難しさが話題になりました。日頃の業務に追われて理論的なことをきちんと持って実践を行わなくてはいけないということです。また、毎日の援助を振り返ることが必要ということです。
 しかし、私のような職場から見て第3者の立場者の話を聞くことはそれほどなく、思っていても実現しないという現状があります。所属する組織(病院や社会復帰施設)の枠からなかなか出ることができないというジレンマです。研修を通して専門職としての輪をもっと確実に確かなものにしたいと改めて感じたのでした。

2000年8月10日のひとりごと
 お盆を前に、夏休み前半の実習訪問指導が連日続いています。学生にとってみれば、これまでには体験することのなかった特殊なことです。緊張もするでしょうし、何をどうすれば良いのかが分からず、不安にもなるでしょう。
 今日は、午前中に特別養護老人ホーム、午後に精神病院と異なる実習先を訪問しました。これまでにはそれほど思うこともなかったのですが、今日改めて思うことがありました。それは、実習の指導体制ということです。
 実は、特別養護老人ホームの実習では、いろいろな事情があり、学生は介護を中心とした実習を行っています。社会福祉士の現場体験実習ですから、どうして介護を中心とした実習なのかと疑問に思われるかも知れません。しかし、特別養護老人ホームの実情を考えると、生活指導員といっても、その業務は相談業務だけでなく、介護も含まれます。また、介護のことを知らないで適切な相談業務もできません。それは、特別養護老人ホームの業務の特徴ともなっています。
 一方、精神保健福祉士の実習では、医療との接点が非常に重要で、医師や看護婦、その他のコ・メディカル・スタッフとの関係が重要です。また、実習もPSW(精神科ソーシャルワーカー)としての実習であり、実習指導をしていただく方はPSWになります。
 このような違いがあるからでしょうか、実習先訪問の際に話をしていて、ふと指導者との心理的近さの違いに気がつきました。それは、当然のことですが、ソーシャルワーカーとしての視点を持っているPSWに親近感を持ったということです。
 これは当然ですが、ソーシャルワーカー(社会福祉士も精神保健福祉士も)としての実習をしているのですが、なぜか上記のような違いができてしまいます。社会福祉士の実習もソーシャルワーカーとしての実習をすれば良いのでしょうが、残念ながら実現していません。
 実習訪問を通して、改めてソーシャルワーカーとしての専門性とは何かを考えます。また、特別養護老人ホームの中での生活指導員の位置づけを考えてしまいます。この違いはどうして起こるのか? と。

2000年7月25日のひとりごと
 今日は地元の精神障害者家族会に参加してきました。近いにも関わらずそれほど頻繁には参加していませんでした。今日は、いつもの会場の都合がつかなかったとのことで、家族会が運営をしている共同作業所で会がありました。
 その作業所は、私が精神病院でPSWとして働いていた時に開設した作業所です。そこには、私が退院援助を行うために家庭訪問を行ったり、結構濃厚に関わった人が通っています。昨年度にも訪問したのですが、それ以来でした。「どうしてもっと来てくれんのか?」といきなり強い口調で話されます。「私に会いに来てくれ。」としきりに話されます。もうすでに病院を退職して丸6年が過ぎています。「長崎のことなんか忘れとると思っていた。」と言うと、「退院の時にいろいろしてくれたから忘れん。」と言われる。
 しばらく作業を一緒にしながら、雑談をしながら、自分が過去にしていたことの意味を考えていました。現在この人はその後も継続的に作業所に通っておられるのですが、あのときの対応が本人にとってどのような意味があったのだろうかと、6年の月日に思いを巡らせていました。

2000年7月3日のひとりごと
 6月30日から7月2日まで、東京都多摩市の大妻女子大学において「第17回 日本社会福祉実践理論学会」が開催されました。私も参加してきました。この学会は、社会福祉の分野の中でも特に社会福祉の実践(援助技術・方法)を専門としている学会です。
 基調講演は私の大学、大学院を通じての恩師・黒川昭登氏(皇學館大学教授)がされました。その後のシンポジウムも小島美都子先生(青森大学教授)、山崎貴美子先生(明治学院大学教授)、渡部律子先生(関西学院大学教授)によるものでした。
 現代のソーシャルワーク(社会福祉の実践)は、マクロ、メゾ、ミクロのそれぞれを視野に入れ、なおかつ総合的な視点から行うジェネリックなものがその主流です。そこでは、かつてのようにケースワークだけを専門にしていたり、グループワークだけを専門にするのではなく、必要なときにそれぞれの技術を使える幅の広い力量が要求されるという内容でした。大切なのは、対象者が同じでも単に個人だけを見るのではなく、その個人が社会的なコンテキスト(文脈)の中で環境とどのような関係にあり、何が原因で本人の内なる力が発揮できていないかをみる力ということでした。
 介護保険の導入や、地域生活支援を視野に入れ、なおかつ本人に焦点を当てる。そして、本人の内なる力が発揮できるようにマネジメントしたり、コーディネイトしたりしなくてはいけません。簡単なようですが、ずいぶん大変です。全体的にソーシャルワーカーの力量が求められるようになってきていると言うことでしょうし、国家資格を取ることが目標ではなく、良い実践ができる、ソーシャルワーカーとしての力をることを改めて考えた学会でした。

2000年5月7日のひとりごと
 5月7日(第1土曜日)に第2回目「福山スクール・ソーシャルワークを学ぶ会」がありました。
 第1回目の時の話題に、「そもそも、ソーシャルワークとは何かということがよく分からない。」という発言がありました。私自身としては、ソーシャルワークという言葉がまだまだ市民権を得ていないということであり、少々がっかりしたのでした。社会福祉士という言葉は、資格との関係で皆さんよく知っておられますが、ソーシャルワークという言葉は見当もつかないというのです。
 そこで、会に参加していた福山平成大学の学生にソーシャルワークとは何かについてまとめてもらい、発表をしてもらったのでした。学生は非常に頑張り、無事に発表は終わったのですが、そのときに話題となったことがあります。
 それは、ソーシャルワークでは、身体や心理だけでなく、周囲の人といった人的環境や社会の仕組みにも関心を払い、人と環境との相互作用という視点で問題を捉えるということを強調しました。
 社会福祉を学ぶ学生は、心理的なことには関心も持っていますが、社会的なことには今ひとつ関心がありません。社会の不正に対して怒り、対象者の人権を擁護するという視点はまだ十分に理解されていないのではないかと考えさせられました。

2000年4月23日のひとりごと
 先日、私が以前に勤めていた関西保育福祉専門学校の卒業生から何件か連絡がありました。それは、社会福祉士の国家試験に合格したといううれしい連絡でした。
 専門学校卒業生の場合、2年間の実務経験を積まないと社会福祉士国家試験の受験ができません。私が専門学校を辞めた年の卒業生がちょうど受験ができるようになり、努力が実り、社会福祉士に合格したのです。合格がうれしいと同時に、わざわざ連絡をしてくれたことがとてもうれしかったのです。
 実務をしながら、社会福祉士の勉強をし、合格した人達の大変さを思うと、「良くやったよね」と思うのです。

2000年4月14日のひとりごと
 4月13日付けの日本経済新聞に次のような記事がありました。

 「会社経営」通じ社会の実態学ぶ
 東京都の高校で、生徒が本物そっくりの「株式会社」を設立・運営する課外活動が行われた。実際に株主から出資を受け、考案した製品を製造・販売、決算し、会社をたたむところまで体験。経済という世の中の仕組みを模擬会社で予行演習する試みといえる。生徒は社会で生きていくために「何を学ぶべきか」を、自ら考えるようになるそうだ。

 社会福祉の分野では、4月1日から公的介護保険制度が始まりました。そこでは、一般企業の参入が可能となり、多くの企業がさまざまな取り組みをしています。私が所属している経営福祉学科は、経営学部の中にあります。バーチャルカンパニーを作り、これからの社会福祉を考え、より良い福祉サービスについて経営という視点から考えることが今後ますます求められるでしょう。大学でも、もっとこのような活動が行われ、実際の活動に役立つことを学生が身につける必要がありそうです。


2000年4月4日のひとりごと
 4月も、はや4日です。教務委員をしていることもあり、新年度を迎える直前は、やはり心がソワソワします。
 今年度は、精神保健福祉教育課程を導入して2年目です。そして、第1回目の精神保健福祉援助実習(配属実習)が始まります。これまでは、大学の中だけの動きが中心でしたが、実習という形で実践の現場に学生たちが出かけていきます。学生にとってみれば、不安が一杯の春休みです。幸いなことに、実習に先立ち、地元の精神障害者家族会、自助グループ、病院等がボランティアの受け入れをしてくださっています。ありがたいことです。
 さて、私は今週、今年度からお世話になる予定の実習先(病院、社会復帰施設等)に出かけ、いろいろと相談をさせていただきます。実り多い現場での実習を願い、ついでにドライブを楽しんでこようと思っています。
 実習先の皆さん、よろしくお願いします。(m_m)

2000年2月26日のひとりごと
 最近思うことです。
 私は、あまりにも 改善されない現状に困っている毎日です。今日も、以前勤め ていた児童養護施設に行っていろいろと話をしていました。ま た、昨日は福山市の精神保健ボランティアの代表と話をして いました。それ以外の人ともいろいろ話をしていると、同じよう な話しに行き着きます。
 それは、問題が山積みであるということ。そして、誰もが何と かならないだろうかと考えているということです。さらに、同じ ようなことを考えているがなかなか行動には結びつかないとい うことです。
 今私は、目標にいきなり行くことを考えていません。のんび りしているといわれるかも知れませんが、そのうち考えている ことができればいいと思い続けることが大切だと思っています。 そして、あきらめないことです。さらに、今の自分でできること をまず、始めることです。張り切りすぎは禁物です。ぼちぼちと 無理をせず続けることです。
 (この内容はある方からのメールへの返事に書いたことです。最近私が考えていることでもあるので、ひとりごととして紹介します。)

2000年2月15日のひとりごと
 今日、高齢者福祉施設で働いている方から相談を受けました。それは、サービスの質をどのように高めるかというものでした。介護保険の導入を目前にして、高齢者福祉施設では他のサービス提供施設との差別化を図るべく、いろいろな取り組みを模索されていることが背景にあるように思えました。
 その際に、実際に社会福祉実践の現場では、業務に追われたりする中で、継続的な資質向上のための研修等の取り組みが行われていないのではないかという現状を改めて考えました。他のサービス提供施設は、当然ですが、介護福祉サービスの提供を考えると、サービスのライバルとなります。そのことがあるのでしょうが、よりよい援助やサービスの改善等に関する、取り組みの改善が施設ごとに行われ、施設(企業)秘密となりつつあるようです。質の悪いサービスを提供していては、利用者が良いサービスを提供している施設に移ることも考えられるのです。
 しかし、このようなことが当たり前になると、福祉(介護)サービスに関して、全体的な質の向上ということが疎外されることも可能性としてあります。利用者にとって良いサービスが施設で提供されることによって、その良いサービスを手本に他の施設も工夫をして、さらにサービスの質が向上すれば理想ですが、実際はどうなるのか少し心配があります。
 よりよいサービスの提供を目標にして、大学が研修の機会を提供したりすることができないかと考えたりします。皆さんは、どう考えますか?

   「ひとりごとのページ」へ戻る