ちょっとブレイク 2006

ここでは、社会福祉に関連する著書、小説などを紹介します。

 
川ア二三彦.(2006).児童虐待−現場からの提言−.岩波新書[1030](2006/11/16 追加)
 これまでは,心理職や医師が書かれた本がほとんどであったが,この本は京都府宇治宇治児童相談所相談判定課長が著者です。
 児童相談所が抱える制度的な問題についても多くのページ数が使われている。
個人的にも,職員の配置基準があまりにもお粗末なことについては痛感しているので,共感をしながら読みました。

 児童虐待が起こる4つの条件(健やか親子21)が示されています。
 それは,
1)多くの親は子ども時代に大人から愛情を受けていなかったこと,
2)生活にストレス(経済的不安や育児負担など)が積み重なって危機的状況にあること,
3)社会的に孤立し,援助者がいないこと,
4)親にとって意に沿わない子(望まぬ妊娠・愛着形成阻害・育てにくい子など)であること
です。

 これまでの本にはない,児童相談所所長の判断による一時保護が人権侵害につながり,「子どもの権利条約」に反するおそれがあることなどについても書かれています。
山登敬之.(2005).子どもの精神科.筑摩書房.1500円.(2006/02/03 追加)
 自閉症ってひきこもりのことじゃないの?元気な男の子と思ってたらADHD?!このまま不登校が続くとどうなっちゃう?娘のダイエットは行きすぎでは…?病院を探す前に、ちょっと勉強。
児童精神科の専門医がやさしく書きました。(キャッチコピーより)

 最新の情報に基づいて,子どもに起こる心の問題を発達課題上との関連も含めてわかりやすく書かれています。
 精神保健福祉士が関わる問題としては,これまで統合失調症の方が中心でした。しかし,統合失調症以外の病気,特に子どもに起こる心の問題への対応はまだまだ十分な対応が整備されていません。ここ数年間の間に,発達障害に関する研究や子どもの心の問題に対する対応は大きく変化しています。
 今後の精神保健福祉士に求められるものとして,是非知っておく必要があると思います。

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