ちょっとブレイク 2002

ここでは、社会福祉に関連する著書、小説などを紹介します。

 
齊藤孝 『読書力』 岩波新書 2002年,700円+税
(2002年10月29日 追加)
 社会福祉とは直接関係ない本ですが,結局つながりがあるので,紹介します.

 この本は,私が学生と接していて思うことについて多く触れられています.それは,本を読む能力のことであり,文章を書く能力のことです.この本では,読書力と言っていますが.
 課題レポートや卒業論文,そして実習に関する記録などを学生に書いてもらうときに,いわゆる国語力が不足するのです.その結果,この本の中で齊藤さんも書かれているように,コミュニケーション能力にも大きな影響を与えています.
 齊藤さんも,読書力が十分でないと,会話(コミュニケーション)が適切にできないことになると言うのです.ソーシャルワークの面接では,相手が伝えたいこと,言いたいことは何なのかを会話の中で的確につかみ取り,さらには,その言いたいことの背景にある感情や心の動きを理解することを目指します.ソーシャルワークの基本的な面接技術を考えるときにも,このことは非常に重要なのです.
 もっと学生に本を読んでもらい,読書力をつけてもらうことが,結果として良いソーシャルワーカーになるためにも必要なのではないか,なんて考えるのです.

 蛇足
 齊藤さんは,1960年生まれです.私が1959年生まれですから.ほぼ同い年です.本の中で紹介されている内容に関しては,私の読書歴とも相関があり,余計にその内容に共感するのかも知れません.

 本のPRは岩波書店にあります.URLは,次の通りです.
 http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0209/sin_k84.html
生田哲 『脳と心をあやつる物質』 講談社ブルーバックス 1999年,800円+税
(2002年9月28日 追加
 この本の裏表紙には,次のようなコピーが書かれています.
 「脳と心に快感や恐怖をもたらす薬と食べ物−なぜだか頭の冴えるときとボケるときがある.なんだか心が晴れる日と憂うつな日がある.そのとき脳ではたらいている物質は,食べ物や大衆薬を通して日常的に摂取している.脳と心の「薬」と「毒」の正体を見る.」

 内容には,脳の構造から神経伝達物質のことについて分かりやすく書かれている.ノルアドレナリン,セロトニンやドーパミン,依存と禁断症状など,精神疾患に関しても,詳しく書かれているのです.
 ブルーバックスという本は,難しい科学に関する内容を分かりやすく読ませる本として定評があります.文系の人でも読みやすいですよ.精神疾患に関して,特に脳の働きと精神症状との関連性を理解するときには役立ちます.
三好春樹『元気がでる介護術』岩波アクティブ新書10,2002年1月,700円+税
(2002年3月31日 追加)
 介護に関して,生活という視点からわかりやすく書かれた本です。
 三好春樹さんには一度もお目にかかったことはないのですが,その考えについては,私自身も同じようなことを考えたことがあります。環境と切り離してしまい「個」として人間をとらえるのではなく,環境の中で環境と常に関係を持ちながら生きている「生活者」としての人間という考え方です。
 この考え方は,ソーシャルワークの考え方そのものなのですが,なかなか普及していません。
三好春樹さんは福祉だけでなく,理学療法(医学)を学んでおられるので,介護を複眼的な視点で見ておられるのだと思います。そして,福祉と理学療法(医学)を比べることで,より明確に生活者としての視点がわかるのだろうと思います。
伊藤守『こころの対話25のルール』講談社+α文庫,2000年9月,600円+税
(2002年2月12日 追加)
 カウンセリングのことについて,コミュニケーションという立場から,専門的な言葉を使わずに非常にわかりやすく書かれた本です。本当にすいすいと読めます。ですから,逆にゆっくり,確かめながら読むと良いなあと思います。

 裏表紙には,次のようなことが書かれています。
 「自分の内側を感じでいっぱいにしておきたいか?」と,自分に問いかけてみてください。「こころの対話25のルール」はここから始まります。つまるところ,私たちは安らいでいたいし,ご機嫌でいたいのです。不安や心配,怒りをなんとか回避したいと思っています。しかし,考えてみれば一年のうち「おだやかな気持ち」でいられる日なんて,何日あるのでしょうか?
中島みち 『患者革命 -納得の医療 納得の死-』岩波アクティブ新書6,岩波書店
2002年1月 700円+税(2002年2月2日追加)
 更新をしようとしてびっくりしました。なんと,5ヶ月ぶりのちょっとブレイクです。
 さて,内容としては,末期ガンの医療についての内容です。サブタイトルにあるように,納得した医療を受け,納得した死を迎えるために考えた方が良いことについて書かれています。インフォームドコンセントや,尊厳死などについて具体的な事例をもとに書かれています。
 私自身は,末期ガンの方だけでなく,広く医療を利用する患者の立場で読むことができると思います。精神医療においても共通する部分があります。
 私たち一人ひとりが,納得した生き方をするために向かい合わなければならないことについて考える時の参考することができると思います。

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