「びんご・生と死を考える会」
心あたたかな医療110番
相談の内容紹介 50

質問50
 77歳の父が健康診断で胃の精査を、ということで、カメラを飲んだら、十二指腸に見たこともない腫瘍が、見つかり、大学の病理で調べてもらったところadenocartinomaではあるが、十二指腸原発の疑いもぬぐいきれない、といわれ、MRI,アンギオグラフィ、内視鏡超音波検査など、したところラ氏島の癌ではないかと。
 ただ、十二指腸の腺癌とどうも、一致しないような、感触を受けました。(2種類あるのか?)でも、医者はどうせ十二指腸と膵頭部(3cmぐらいの腫瘍が認められた)を、切るのなら、もう一度カメラをのむより、早く手術をしたほうが良いのでは? といわれました。

 父は頭はしっかりしていますが、脳血栓をしたこともあり左足を引きずったりしていまして、今日のアンギオでも、ものすごい動脈硬化だ。といわれたり。狭心症もあり、家族としては、QOLを大事にして、うまいこと、あまり苦しまずに行かせてやりたいと思うのですが十二指腸と膵頭部を取ったあと、普通の生活ができるのでしょうか。

 医者は切ればそれでめでたしだよ。という雰囲気があるのですが,手術のあと、どれくらいで今のようになれるのでしょう?
 もしや、そうならない間に、弱って死んでいくのなら、今は、全く自覚症状もないので、手術しないで、癌をだましだまし、死んだほうがいいのでは? と家族で言っておりますが,末期癌が、どのように苦しいのか全く想像を越えており判断に困っております。

 今のところ、転移は認められてはいません。手術はいやだ、でも耐えられない痛みも恐ろしい。とは、本人の気持ちだと思います。

 どうしたら一番苦しまないでしょうか? 本人はもう思い残すことはあまりない、と言っております。(死にたいと、よくもらしていましたが ・・・本気なのかどうなのか)
  
 どうかお返事ください。お願いします。
回答50
 膵臓癌は大変治りにくい癌の一つです。運良くよほどの早期に見つかったときには、手術で治ることもありますが、ほとんどの場合には、進行癌の状態で発見され、手術をしてもしなくても、およそ1年の余命ということがわかっていますので、手術をしない医師や病院も多いと思います。手術をしなければある程度のQOLが保てますが、いったん手術をしてしまって経過が悪いと、手術から回復しないままに末期的状況になってしまうことも多いのです。膵臓癌は進行してくると痩せて痛みを伴うことが多く、慣れた医者に充分痛みをとってもらわなければいけないと思います。

 今の状況、それに対する治療方法、治療方法ごとのメリットとデメリット、予想される副作用と効果、今の病院でできることとできないこと、など納得できるまで担当医に良く聴いてみてください。

 さらに父上の場合に手術ができるかどうかと云う判断は難しいと思います。普通3センチの膵臓癌は手遅れのことが多く、慎重に検査をしなければ確実に手術が可能かどうかは分からないと思います。お腹を開けたけれど何もできなかったということになる可能性も考えられます。

 その上、手術は膵頭十二指腸切除術というお腹の手術ではもっとも難しい部類とされている手術になります。手術が順調にすんで、手術後の経過が順調で、体力が順調に回復したとしても、まずまず食べられるようになるまでに早くても一ヵ月くらいかかると思いますし。もしも順調にいかなければ回復が遅れて、結局食べられないままに衰弱したり、最悪の場合には退院できずに最期を迎えることもあります。がん専門の病院などのように沢山同じような手術をしている病院で手術を受ければ、普通の胃の手術と同じように回復できる場合もあります。

 いずれにしてもご本人の希望を尊重してあげて、最期まで家族と医療者などの周囲の人たちで支えてあげなければいけないと思います。

 心あたたかな医療110番 内容紹介のトップページへ