「びんご・生と死を考える会」
心あたたかな医療110番
相談の内容紹介 10

質問10
 母について相談させていただきたく、初めてメールいたします。
 母は現在50歳です。1年半前に、食べ物を飲み込むとひっかかる感じがするということで、近所の内科で診てもらいました。胃に大きな潰瘍があったため、市民病院に紹介され検査の結果手術をすることになりました。
 潰瘍ができたのは胃の上部の方で食道に近い所でした。血液に異常はなっかたのですが、がんの疑いもあると先生はおっしゃっていました。手術をしてみると胃癌であることがわかり、胃と脾臓を全部摘出しました。全部摘出する程悪かったのかと思いましたが、そうではなく がんができた部分により切除の仕方が違ってくるということを先生から聞きました。腸と食道をつなげることで、そのうちに胃の働きをすることを聞き少し安心 し、術後1年は、食事には制限はありますがひどい吐き気もなく、外出もでき、普段と同じ生活をしていました。
 ところが、ちょうど術後1年経った今年3月、食べてももどすようになり、ついには水さえもうけつけられなくなってしまいました。検査の結果、食べ物の通り道の一部分が細くなっていることがわかり、薬で柔らかくして広げようと試みましたが効果はなく、結局その部分にだけ細い管を いれることになりました。
 管をいれてから10日ぐらいは少しずつ食べることができましたが、その後は食べてももどしてしまい食べ物はうけつけられません。ほんのすこしの水、お茶を飲むだけです。のどの渇きを潤すため、こまめにうがいをしています。栄養を補うため24時間点滴をしていますが、管をいれた炎症からドロッとした粘液を1日に何回も吐いています。なぜ、また食べられなくなったのかというと、管をいれた部分の先の方が今度は狭くなってしまったためです。その部分は150度くらいに曲がっているため、そこには管をいれることは難しいとのことです。
 また、初めに管をいれた時の理由と同様に、他の臓器との癒着も考えられ手術が成功するとは限らない、また6ヶ月の入院で体力の低下を考えると手術は無理と言われました。
 それではどのようにしたら良いのかということで考えられたのが、点滴をしながら生活をすることです。2回外泊をしましたが、そのうち1回は自動式のポンプがつまり病院に戻ることになってしまいました。点滴の針を同じところにしていたため37度から38度までの熱がでたこともあります。熱やおなかの痛みを抑えるため抗生物質を何種類か試していましたが、熱の原因は点滴の針でした。針を腕にしたら熱は下がりました。おなかの痛みや、吐く回数もすこしずつ減ってきました。
 しかし、とても心配です。点滴をしながら生活している人もいると聞いたことがありますが、「患者よ、がんと闘うな」という本で、点滴を長くしていると肺に水がたまる、病院は末期がんのひとを追い払うために自宅で点滴をさせて生活させるということも書いてあ りました。このような本をよ読むと怖くなってくるので、それ以来読んでいません。でも、点滴での生活を長く送ることは難しいだろうということは、素人の私でもなんとなくわかります。母の命の限界を自分で決めてしまっていることに、腹立たしさを感じながらも、本当はどのくらいこの世の中を楽しめるのだろうと考えたくないけれども考えてしまいます。
 母は、15年前に乳癌をし、左胸を筋肉までとっています。そして、1年前の胃癌、今は100パーセント転移していないとはいえないと言われました。吐き気も熱もおさまったら退院します。
 母は、「管をいれてからおかしくなった」と言いました。このような状態で今の病院にいることは無意味のような気がしますが、他に良い治療法があるのかないのかもわからないためどうしようもできません。一番つらいのは母です。早く楽 にさせてあげたいです。家族が今できることは、一日一日を大切に生きていくこ と、母を心から支えていくことです。
 点滴をしながらの方法しかないのでしょうか? 狭くなった部分はもう広がらないのでしょうか? ぜひ、ご意見を伺いたくメールをいたしました。      このような長く拙いメールになってしまって申し訳ございません。お時間がございましたら、御返信くだされば幸いと思っております。
回答10
 まず、狭窄の原因が癌の再発によるものでないと仮定しての話しになります。根本的に治そうとすれば、やはり手術しかないと思います。
 手術の方法にも、色々な方法が考えられます。直接、狭窄している部分を切除して、腸で再建する方法と、狭窄している部分をそのままにしておいて、バイパスをつくる方法などです。
 口から食べることを諦めるのであれば、今のように点滴をするか、腸に管を入れて(腸瘻)、その管から栄養をとるようにする (経管栄養)方法などが考えられますので、担当医とよく相談 してみてください。

  

 心あたたかな医療110番 内容紹介のトップページへ